加賀市子育て応援プラン
3月29日、加賀市子育て応援プラン(案)に対しての意見を市長宛に提出しました。
このプランは、次世代育成支援法にもとずく計画で、今回は、後期の計画になります。
前期の計画では、前大幸市長の方針にもとづき、公立保育園の統廃合・民営化計画が策定、推進される内容でした。
市長もかわり、前市長時代に定められた根拠なき保育園の95名の適正規模数にもとずく、統廃合・民営化計画の見直しや自然ふれあい保育の見直し、児童館の建設、学童保育の条件整備などを計画に入れるように要望しました。
加賀市子育て応援プラン(案)についての意見・提言全文
加賀市長 寺前秀一殿
加賀市子育て応援プラン(案)についての意見・提言
日本共産党市議会議員 新後ゆき子
はじめに
平成15年、前大幸市長時代(旧加賀市)に「保育園の統廃合計画懇話会」が設置され、保育園の適正規模を95名として、公立保育園の統廃合・民営化計画が推進されてきました。
しかし、それは、5年を経過した平成20年に行った市の調査でも明らかなように、この計画を知らない人が50,2パーセント、保育園を選択する時の基準として「家や就労先から保育園の距離」が70、2パーセント、法人立保育園があるから公立保育園は不必要と答えた人は、わずか7,7パーセント、公立保育園を廃止すべきと答えた人は、わずか6,9パーセントと少数にとどまり、市の公立保育園統廃合・民営化計画は、市民の意向を反映しない計画であったことを証明しています。
平成21年10月30日投票で行なわれた市長選挙において、新しく市長に就任した寺前市長は、保育園の統廃合計画の推進を全中学校校下の計画が策定されるまで凍結し、再検討することや公立保育園における0、1歳児保育の実施の検討を表明しています。
また、本年10月より、こどもの医療費助成制度の対象年齢を中学校卒業までに拡大したことは、住民の意向を反映したものであり、子育て支援施策の一歩前進と評価するものです。
加賀市の子育て応援プラン(案)では、これまで前大幸市長の意向を反映し、住民の意向を無視した公立保育園の統廃合・民営化計画の推進や自然体験などの保育などが推進されてきました。
このような計画を根本的に見直し、公立・法人立を問わず、保育園は、子どもの全面発達を保障し、女性の就労を支援するとともにさまざまな理由から保育を必要とする親や子どもたちにとって、大切な場所であることを明確にして、それぞれの地域における地域住民の子育ての中核としてその役割を果たしている保育園をさらに充実し、地域の子育てセンターとすることが、今日の時代が求めていることだと思います。
加賀市における子育て応援プランが、子育てを支える社会の仕組みと家庭における育児のゆとりのための条件整備・・ワークライフバランスを実現させていく計画となることを願い、加賀市の子育て応援プラン(案)について、以下の意見を提出致します。
- 公立保育園の統廃合・民営化計画について
① 公立保育園の役割について
加賀市が誕生した昭和33年当時、旧町村立として運営されてきた44箇所の保育園を加賀市の保育園として引き継ぎ運営してきました。
加賀市における保育園の入所率は、85パーセントを超え、全国に誇る子育て先進地域として、注目されてきました。
しかし、その後、金明地区、南郷地区、三谷地区など多くの地域で公立保育園の統廃合が行なわれ、合併後の現在、市内の公立保育園は、21箇所になっています。
加賀市の保育園の歴史と伝統を生かし、法人立保育園のない地域における小規模な公立保育園を存続させて、法人立保育園があっても法人立では受け入れきれない子どもたちの受け皿としての公立保育園は必要です。
市内の保育を必要としている様々な子どもたちの保育をすべて、法人立で受け入れることは困難であると思います。
公立保育園を民営化する狙いは、保育の安上がり「コスト削減」にあります。
前大幸市長は、「公立保育園を民営化すれば、市の財政は7億円削減となり、保育料を軽減できる」と言って、乱暴極まりない「やすあがり保育園づくり」を明言してきました。
公立保育園と私立保育園で決定的に違うのは、保育士の労働条件です。
市の職員として、身分保障がされている公立では、保育士の勤続年数が高く、子育てに必要な経験の蓄積や保育の継承が保障されます。民営化しても保育の質は変わらないといいますが、保育の質を保障する保育士の労働条件や勤続年数など私立の場合は、残念ながら公立とは大きな差があります。
休日保育や病後時保育、産休明け保育、病後時保育等を実施しているのは、加賀市の場合、ほとんどが私立保育園ですが、本来ならば、児童福祉法の精神にそって、すべての保育園でこうした保育が実施されるべきであります。
小規模な公立保育園は、保育に適さない、経済効率が悪いなどというと言う乱暴な理由で、人口の少ない第一次産業を担う地域の公立保育園をなくするような計画は中止すべきです。次世代育成支援対策法でも、計画の策定や見直しにあたっては、住民の意向を反映することを求めています。
②保育園の適正規模について
市のプラン(案)では、公立保育園の統廃合・民営化計画については、「効率的な運営を検討する」としています。
前大幸市政時代の公立保育園の統廃合・民営化計画は、これまで加賀市の保育を支えてきた公立保育園を全部廃止するという意図で、保育園での保育に必要な適正人数を95名としてきました。
しかし、こどもの育ちに必要な集団の適正規模などというものを、一律に決めることは困難であり、何の科学的な根拠もありません。
95名と言う基準を押し付けて、財政効率論で保育園の配置を決めることは、問題だと思います。
人数にみで判断するのであれば、人数の多い保育園や学校における数々の事件や問題は、説明できません。地域に保育園がなくなった場合の地域における経済への影響やコミニティへの影響、小さな子どもを車で毎日遠くの保育園に運ぶことの問題を市民に明らかにすべきです。
また、95名と言う適正基準数を適用するのであれば、その科学的な根拠を市民に明らかにすべきです。
旧自公政権のもとで推し進められてきた構造改革路線の民営化は、「コスト削減」が最大の目的です。
「少人数では保育ができない」などというごまかしの議論をふりまき「統廃合・民営化」を促進することは、子育てに不安を抱く父母たちの不安をさらに大きくし、地域と保育園、保育園と保護者の信頼を失わせています。 未来のこどもたちを地域で育てたいという願いに答える計画に見直すべきす。 - すべての保育園での0・1歳児保育の実施について
出生率の低下、核家族の進行の中で、働く母親の増加に伴い、産休明け保育や0、1歳児保育、延長保育などの保育要求は、法人立保育園で実施されて、公立保育園での実施は、見送られてきました。
しかし、その結果、2歳までは、法人立保育園へ通い、2歳になったら地域の公立保育園へ移るという選択をせざる得ない状況を生みだしてきました。
産休明けから地域の保育園へという父母の要求は、いまだに実現されていません。
法人立保育園がない地域における公立保育園での2歳未満児保育や延長保育などの実施は、欠かすことが出来ない課題だと考えます。
国の指針でも保育園は0歳児から受け入れ、系統的な保育を行なうことを求めています。 - 学童保育について
学童保育の整備数は、年々増えてきていますし、すべての小学校校区での実現が計画されていることは重要なことだと思いますが、まちづくりが運営主体で財政的な基盤も弱く、施設の基準や環境整備も急がれると思います。
また、学童保育の指導員の身分保障や保育条件の整備に市が責任を持って改善する計画にすべきと思います。
学童クラブの設置数のみでなく、放課後のこどもたちの生活をより豊かに保障できるように、運営基準や施設の設置基準を明確した計画にしてほしいと思います。 - 豊かな想像性や感性を養う食育を保育の項目に加える必要があると思います。食良も感性をはぐくむ保育であり、現在でも公立保育園では実施しているとは思いますが、アレルギーのこどもたちの増加や朝食を食べない子どもたちも増えているとの調査結果を踏まえて、保育の重要な課題として食育を加える必要があると考えます。
- 自然ふれあい保育や野外活動などの保育を子育て応援プランとしていますが、 日常の保育の一環として取組まれており、その分野にのみ市が特別に財政措置を行い、保育の現場に押し付けるのは、問題だと思います。
- 父子家庭への児童扶養手当支給が今年度より始まりますが、児童扶養手当の支給の項目には、父子家庭への支給項目がありません。母子家庭にはない困難もあり、父子家庭への支援の項目が必要ではないかと考えます。
- 市のアンケート結果では、休日に遊ばせたい場所として、76、8パーセントの方々が公園をあげています。
ところが地域に身近に遊べる公園がないと父母は訴えています。
また、中央公園などに雨天の時に遊べる施設・場所が必要ではないか検討すべきでないかと思います。
加賀市に県立児童館の整備を望む声も多いと思いますが、計画に入れられないか。 - 個別事業における野外活動等自然体験活動推進事業など11事業についての必要性や個別の保育についての事業を子育て支援プランとして、入れるのは疑問があり、魅力ある学校教育の推進についても再検討して、計画を見直していただきたいと思います。
- 新生児全訪問がどこまで実施され、どのような課題と問題があるのか明らかにされておらず、市内で誕生したひとり一人の赤ちゃんと母親、家庭環境などをしっかりと把握して、こどもの虐待の防止、障がいの早期発見・治療など子育てへの不安や悩みの実態の把握への体制が不十分ではないかと思います。
また、市の相談窓口を一箇所にするとしていますが、設置場所も明確にしていませんが、設置場所、専門スタッフの配置など具体性に欠ける様に思いますが万全の体制をとる計画にしていただきたいと思います。 - 子育てへの経済支援について
ヒブワクチン、子宮頸がんワクチンなどへの公費助成、こどもの医療費助成を近隣自治体がすでに実施している高校生までに拡大し、窓口負担ゼロと自己負担の廃止、母子家庭はじめ一人親世帯など低所得階層の保育料の負担軽減をはじめとして、二人目や三人目の保育料の負担は、同じ保育園に入園していなくても負担軽減の対象とすべきではないか思います。
また、学校給食費などの無償化に向けての取り組みも必要ではないか。計画に入れられないか再検討をしてください。
最後に
市の子育て応援プランは、仕事と子育ての両立、経済的負担の軽減、「こどもの貧困」の解決など「子育てがしにくい」という社会のありかたへの総合的な取り組みが必要だと考えます。
若者の二人に一人が非正規労働で年収200万円以下と言う雇用の実態の改善なくして、若者が結婚して、子どもを育てることはできません。
不安定な雇用の改善、育児休業制度の確立などを視野に入れて、必要な要望提言を積極的に関係省庁に対しても行い、若い世代に安定した雇用を取り戻すことが何よりも大切と考えます。
また、日々変化する市民の様々な子育ての悩みに親切に、適切に答えるためには、子育てや保育への豊かな経験と知識と愛情をもった人材の育成が欠かせません。
そのためには、子育ての現場に立つ、保育士の正規採用は欠かすことができない課題です。
未来の加賀市をになう子どもの育成に必要な財源を最優先に確保して、子育てへの豊かな支援を実現することは、未来の加賀市への投資であると確信しています。
民主党政権が誕生して「コンクリートから人へ」を掲げましたが、保育園の市町村の義務をなくし、保護者と保育園の「直接契約」にする「改革」や保育所最低基準の規制緩和、給食の外部委託、保育への㈱会社の参入等を実施しようとしています。
こうしたことは、保育の公的責任を後退させ、父母への負担増や格差を持ち込むものであり、全国保育士会、全国保育協議会なども「断固反対」の表明を行なっています。
加賀市の子育て応援プランが市の子育てにおける公的責任を果たし、市民の信頼のもとに、子育て応援の施策・事業を市民との協働を育みながら、計画し推進されるように期待するものです。
2010年3月29日
カテゴリ: 議会だより
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